「仲よく」揮毫 吉田蒼月 〜正面玄関の模様替えをしました〜
- 公開日
- 2023/09/05
- 更新日
- 2023/09/05
学校日記
この2学期、小さなモデルチェンジですが、学校の正面玄関の模様替えをしました。
「仲よく」という本校の校訓が書かれた大きな額を、入ってすぐ正面に見られるようにしてみました。
その両側には、本校区で活躍された方を顕彰するパネル等を掲示しています。
まずは、オリンピアンの谷本歩実さん。
1981年生まれ。本校卒業生で、2004年アテネ・2008年北京オリンピックで柔道女子63kg級での2大会連続での金メダル獲得者です。国際柔道連盟柔道殿堂入りを果たされています。
そして、VHSの父高野鎭雄さん。
1923年生まれで、この地区出身。日本ビクター株式会社でVHSを開発して「VHSの父」「ミスターVHS」と呼ばれ、副社長等を歴任されました。
この2名の方の掲示をしております。
「仲よく」の文字の揮毫(きごう)には、蒼月書と書かれています。
型にはまらぬ自由で元気な書は、子供たちにも元気をくれ、「仲よく」がとても大事であることを伝えてくれます。
「なかよく」より画数も少なく、子供たちも書きやすいのかもしれません。
この「蒼月」という方。調べると、安城市で書家として活躍されていた吉田蒼月という方だとわかりました。
この方は、当時はワシノ病院という名前だった八千代病院で事務長まで務め、それとともに戸田提山や神谷葵水、岩間祥霞といった方々とこの地域で書を追究する活動に尽力され、芸術としての書の普及にこの地方で尽力された方でもあります。幼き頃より書に親しみ、多数の作品が日展入選を果たすなど、素晴らしい才能をもつ方でした。
この方の書は、他でも多く見られます。
例えば安城北中学校体育館にある大作「北中健児の歌」(安城北中の校歌)は、ダイナミックな筆運びでまさに「健児」を象徴するものです。また、作野小学校や今池小学校、マーメイドパレス、安城公園牛詩碑など、どれもその破天荒で枠にとらわれない書風には眼を見張るものがあります。
今回本校で調べ、初めて作者の経歴が判明し、この夏休みにご家族と面会を果たしました。
本校所蔵の校訓は家族にその所在を正確に確認されておらず、リストになかった初見であることを確認しました。
また、落款等からも、恐らく初期の蒼月作品であることもわかりました。
ただし、詳細はわかりません。
ぜひ卒業生の皆さんでご存じの方があれば、お知らせください。
国際色も豊かになり、常にマンモス校でありつづける本校。
この学校にとって、この「仲よく」という言葉こそが、最もわかりやすい多文化共生の第一歩の理念であると思います。
51年目、次の半世紀に向けて、この書とこの精神を、引き続き大切にしたいと思います。