二本木小学校は正式に「ユネスコスクール」(ASP-net)への加盟表明を行い、日本ユネスコ国内委員会へ審査書類を提出しました
- 公開日
- 2025/09/01
- 更新日
- 2025/09/01
学校日記
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安城市立二本木小学校は、2025年(令和7年)8月25日付で、日本ユネスコ国内委員会に、「ユネスコスクール」への正式加盟表明を行い、書類等の提出を行いました。
「ユネスコスクール」については昨年5月15日付で参加表明を日本国内委員会に申請し、その後、参加表明校として本校のよさを生かして様々な取り組みを子どもたちと進めてきました。このたび、ユネスコ本部(フランス・パリ)への申請の前段階として、日本ユネスコ国内委員会に申請を認められたもので、その申請が完了しましたことをここに報告します。
今後、国内審査が認められれば、正式加盟に向けて進めていきます。
ユネスコスクールについて – ユネスコスクール公式ウェブサイトに飛びます
ユネスコスクール(ASPnet School)とは、 日本においてASPnet(Associated Schools Network)への加盟が承認された学校を指します。
ASPnetとは、ユネスコの理念を学校現場で実践するために昭和28(1953)年に発足した、国際的なネットワークです。
世界最大規模の学校ネットワークであり、現在世界180か国・地域の約10,000校がASPnetに加盟して活動しています。
日本国内では、2024年4月現在、国内では1,088校が加盟もしくは加盟準備をしているそうです。
1か国当たりの加盟校数としては、世界最大となのだそうです。
本校は満を持して、新たな世界のなかの1校として、小さな一歩ではありますが、ここで手を挙げ、前に進むこととなりました。
なお、安城市立幼保小中学校の加盟校は現在なく、本校単独での申請となります。
ちなみに、安城市内の学校では国際交流・英語教育などを熱心に行っている愛知県立安城東高等学校が加盟校となっています。
申請に向けて、丁寧に取り組みを進めていきたいと思います。
「ユネスコスクール」で本校は何を進めていきたいのか。
申請にあたり、本校では以下のとおりその加盟の意思を表明しました。
安城市立二本木小学校ユネスコスクール構想の詳細はこちらのPDFをご覧ください
【ユネスコスクール申請の理由と3つの重点活動分野に対する取り組みについて】
~「多文化共生学校」をめざした「人権・道徳・モラル」「こどもまんなか」「次代を生きる学び」~
外国籍児童が多い本校は国籍・文化・価値観も多様です。
本校はこれらを強みに「多文化共生学校」創設をめざします。
まず日本語適応指導教室「ひまわり」をユネスコスクール推進の核に据え、多文化共生社会の在り方・生き方を考える場・機会を提供します。
次に「道徳・モラル」醸成を多文化共生学校の基盤に据えて全校で推進します。
多文化共生社会でのモラル・道徳の醸成を図り、「本校のモラルの共通言語は道徳」を合言葉に、道徳教育推進教師を中心にローテーション道徳や授業研究、道徳教育諸活動の展開を推進します。
また、次代で最適解を見出せる学びを展開すべく、研究推進部が「チーム学習」での協働的な学びの在り方を研究します。
最後に子どもの生活に即した実践的な場として、「こどもまんなか」を主眼とした児童会活動を展開し、児童会顧問・執行部が子ども主体の活動等を支え、誰も取り残さないみんなの学校づくりを推進していきます。
【重点活動分野1 「地球市民及び平和と非暴力の文化」に沿った行動について】
~「人権教育」「道徳・モラル」を大切にして「自律した未来の開拓者」の素地を養う~
人権教育を重視し、「道徳」を主軸においた道徳教育の充実を図ります。
本校は多文化共生学校を宣言します。
常に平和・非暴力・地球市民としての生き方に焦点を当てて学ぶ機会をもちます。
平和・非暴力を学校で具現化するのが「人権教育」であり、本校の道徳を含めた道徳教育の大切な点です。
学年チームでのローテーション道徳の展開で、担任+αの教員が1つの道徳の授業を巡回で行います。
「本校のモラルの共通言語は道徳」を合言葉に、学年の現状から旬の話題を取り上げた教材を展開し、授業展開の方法を共通化して研究することで、児童の道徳意識は高められ、人権意識も獲得されていくと思います。
これらを根底に据えて子どもの「自律」を重視し、総合的な学習の時間では自身の未来を描くキャリア教育を大切にします。
人と学びかかわる機会を多くもち、礼儀や道徳心も育てながら、全ての学びの基礎となる心を育てることが地球市民育成につながります。
【重点活動分野2 「持続可能な開発及び持続可能なライフスタイル」に沿った行動について】
~「こどもまんなか」児童会活動を中心に「未来を共創する主役」をめざす~
「こどもまんなか」を重視した児童会活動を大切にします。
学校がめざす目標は子どもにとっても理想であり、その理想に向かってみんなが自走できることこそ大切です。
このため、子どもが中心で活動する児童会活動を重視して積極的に展開し、学校が進むべき姿に児童が気付き、考え、行動することを目指します。
多文化共生・平和・非暴力・平等等を子どもが具現化できるように児童会組織での自治的活動を重視します。
選挙による執行部は学校リーダーとして、各学級のリーダーは学級委員が、委員会は得意分野を生かして積極的に、実行委員はできる活動を有志の公募で支援するなど、誰もが参加できる多様なかかわりの場を創ります。
めざすべき学校の姿を児童会がスローガンにしたり、人権問題を議論して、児童会が学校人権宣言採択を展開したりして、社会をよくする仕組みづくりを児童会で具体化して学び、児童主体で「みんなの学校」を意識する活動が期待できます。
【重点活動分野3 「異文化学習及び文化の多様性と文化遺産の尊重」に沿った行動について】
~次代をしなやかに生きる学びや解の出し方を生み出せる「自律した学習者」を育てる~
正解の見えない次代では最適解を求めることが大切です。
本校は今後の方向性をOECD“Learning Compass 2030”に繋がる学習指導要領を拠り所とした世界標準の学びのサイクルで学習を展開します。
「自身の考えをもつ」「対話で共感・交流させる」「より強固な自身の考えを確立する」ことが最適解を導く鍵となります。
本校は、互いに対話して学び合う「チーム学習」の展開を図ります。
「対話」を通して自身と違う他者の存在に気付き、互いを尊重しつつ、自分の考えをもつ活動を展開します。
日本語適応指導教室では地域にも対話を重視した学びを広げ、異文化理解もめざします。
総合的な学習では地域・社会にかかわる人々とも対話を進めます。
異年齢・異世代との交流を活発にさせ、地域住民・社会と接する機会を学校が設けます。
モラルの共通言語である道徳を基盤に「学ぶ」姿勢を育て、触れる異文化への寛容性を育てていきます。
【学校コミュニティの活動・地域の多様なステークホルダーとの連携を通してどのようにネットワークを構築しているか】
~コミュニティ・スクールとユネスコスクールの両輪で本校を取り巻く地域全体が児童を育てる「地域の力」を生かす~
多文化共生学校をめざしたユネスコスクールを展開して地域全体が多文化共生社会となることを将来的な目標とし、本校は2027年度よりコミュニティスクール(以下CS)を開始します。
ユネスコスクール同様CSもキーワードは「対話」です。
多文化共生はCSでは展開が難しく、ユネスコスクールならばCSから地域に広げられます。
ユネスコスクールでは多世代交流をめざすCSの力を借り、外国籍児童の保護者を取り込むようにします。
青少年育成のために支援し、地域の子どもとかかわる大人を増やすことを目指し、CSと共に地域学校協働活動を活用した両者のマッチングも推進します。
ここまでリンク先で示されているような地域プロスポーツ・公共機関との公民連携、地域・中高生との活動交流を展開してきました。
地域の人材を本校の学びの場でかかわらせ、児童が異年齢・異世代・多文化で対話する機会を増やすことで互いの壁の解消を狙います。
このような思いを述べて申請をさせていただきました。
ちなみに、以下が愛知県下での「ユネスコスクール」加盟の状況です。
愛知県 – ユネスコスクール加盟校エリア
近隣加盟校(キャンディデートと言われる国内審査を終えユネスコ本部に申請段階にある学校も含む)として、小学校は県内32校あります。
西三河地区は岡崎市3校(六ッ美中部、梅園・城南)、西尾市1校(西尾)、豊田市1校(土橋)です。
安城市に近い知多地区にも東浦町2校(藤江、緒川)、半田3校(有脇、板山、亀崎)があります。
本校の申請にあたりましては、東浦町立緒川小学校に様々なご助言をいただきました。
また、国立2校(愛知教育大学附属岡崎・名古屋)、私立1校(椙山女学園大学附属)も加盟校です。
中学校は18校、中高一貫校は2校あります。
安城市内の加盟校は現在ありません。
西三河地区は岡崎市4校(新香山、常盤、南、竜南)、豊田市2校(藤岡南、前林)あり、近隣知多地域では半田市1校(亀崎)が加盟しています。
国立3校(愛知教育大学附属岡崎・名古屋、名古屋大学教育学部附属中・高)、私立2校(星城、中部大学春日丘、名古屋国際中・高)も加盟校です。
高等学校は17校あります。
安城市内の加盟校は、愛知県立安城東高等学校です。
西三河地区は、愛知県立刈谷北高等学校、愛知県立豊田東高等学校、愛知教育大学附属高等学校が加盟校です。
ともにあいちグローバル人材育成事業として英語を高いレベルで使いこなす人材の育成を目指す「あいちリーディングスクール事業」の推進校です。
刈谷北は研究推進校、安城東は研修推進校となっています。
このほかに同様の研究推進校である愛知県立千種高等学校も加盟しているほか、名古屋市立名東高等学校、東邦高等学校などの、県立・市立・私立高等学校が加盟しています。
特別支援学校は愛知教育大学附属特別支援学校など2校あります。
大学は、国立大学法人愛知教育大学1校のみです。
それぞれ、各学校のよさを生かして「ユネスコスクール」として取り組んでいます。
本校も、子どもたちのために様々な活動を展開するべく、「ユネスコスクール」にてその基本的な考えを示しました。
今後の活動にもご支援いただきますようよろしくお願いいたします。