本校として忘れてはならない6月19日「紫陽花忌」とこれからの交通安全の取組について
- 公開日
- 2022/06/18
- 更新日
- 2022/06/18
日々のできごと
去る令和2年6月19日(金)の登校時、当時1年生であった本校生徒が自転車通学途上に尊い命を奪われてしまうという悲しい出来事がありました。
2年たった今でも、ご家族はもちろんのこと、本校生徒や卒業生、保護者の皆様、地域の方々の悲しみが癒えない状況は続いています。
交通ルールをしっかりと守っていたうえで交通事故に巻き込まれたという事実を受け、わたしたちはご家族とともに、自身の命を守る「防衛」に徹した交通安全指導を進め、「二度と犠牲者を出さない」ことを徹底し、学校・家庭・地域が一体となって指導をしていくことを約束し、ここまで様々な取り組みを進めてきております。
しかしながら、現3年生が卒業をすると、このような悲しい出来事を語り継ぎ、自分の命を守ることの大切さを強く訴えるものの、なかなか自分事としてとらえるのが難しくなるのではないか心配しています。
事実、安全なヘルメットの着用方法や並進・わき見運転等、大事には至っていないものの、心配な事案は起きています。
これまでも本校では、交通安全祈願の鬼瓦モニュメントを通して、事故が本校でもあったこと、二度と犠牲者を出さない思いを強く認識できるようにしてきました。
今回はこうしたことに加え、ご家族にもご了解をいただき、学校としてこの6月19日を毎年「交通安全について強く考える日」として、「紫陽花忌(あじさいき)」という名称を付け、今後本校で交通安全への願いを語り継いでいくことにしました。
名称の由来は、鬼瓦の周りに咲いている紫陽花です。
これは、事故当時各教室で咲いていた紫陽花を移植したものであり、同級生の「決して忘れない」という思いを形にしたものです。
これらを、鬼瓦・庭園と共に名称としてとどめることで、強く交通安全を意識する機会を持ちたいというのが、私たちの願いです。この思いをご理解いただき、共に生徒に交通安全の大切さを訴えていただければ幸いです。
また、この機会に再度「安城西中学校区交通安全ヒヤリハットマップ」を作成していきます。これまでの卒業生や地域の方も含めた事故の危険性に関する経験値を数多く集め、事前に周知することで、危険予知能力や防衛意識の高揚を図りたいと思い、新たな地図作成に取り組むこととしました。
今回は誰でも見ることができるよう、まちの課題の可視化に取り組むNPO法人Mieru-Da Projectとの公民連携のもと、スマホ等で撮影した位置情報付きの写真をGoogle Map上に展開し、あわせてどのような危険があるのかをコメントで記載していくこととしました。
いつでも誰でも、登下校する道路上のヒヤリハットが把握できるようなシステムを開発し、保護者や生徒をはじめ、卒業生・地域の方等にも情報提供いただく予定です。
各家庭にはすでに方法を示した文書を配布し、メールを送信しております。
ご協力のほどよろしくお願いします。
出されたデータは、7月1日の「国民安全の日」を目安に、皆様向けに公開ができるよう準備を進めていきます。
また今後、出されたご意見をもとに、小さな危険場所についても確認するなど、管理者である関係各署に出向いて改善をお願いするなど、危険な場所等の検証・対応を進めていきたいと思います。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
本校では今年度、愛知県警の協力のもとに「交通安全教室」を各学年で実施するとともに、クロネコサイクル様にご協力をいただき「自転車点検教室」を実施して、運行前点検の重要性を伝えてきました。
3年生は昨日愛知県警察交通安全教育チームあゆみの皆様のご協力のもと、交通安全教室を開催しました。
また、随時登校時に通学路を見回り、安全上心配な点は地域に確認し、生徒に伝達するなどの行動をとっています。また、地域の方に生徒のための見回り活動や登校時の見守り活動などを行っていただいています。
整備した鬼瓦のモニュメントは鬼瓦を鬼師である山本鬼瓦工業様に制作していただき、庭園設計を庭師であるフカツガーデン様に依頼しました。設置費用はフカツガーデン様に寄贈していただきました。昨日の青少年健全育成会は3年ぶりの開催となり、事故後初の開催となりました。事故の概要やその後の取り組みを紹介させていただき、フカツガーデン様へ感謝状を贈呈しました。
紫陽花に加え、市当局からも藤の木と藤棚が提供されました。この場所は3年生の手で「命の紫陽花」庭園と名付けられ、このたびプレートが設置されました。
昨日の帰りのSTでは、3年生生徒が放送で、今の思いを伝え、改めて交通安全意識の高揚を学校全体に訴えてくれました。地域の皆様も共に聞き、全校生徒と共に黙とうを捧げました。
今後学校では、生徒の安全な登下校に向けて道路管理者や沿道の事業所等にも通学路への配慮をしていただくようお願いをしていかなければならないと考えていますし、保護者の皆様においても環境整備の上で無理のない範囲でご協力いただくことがないか検討をしているところでもあります。
このような考えのもとにこれからの交通安全について進めていく所存ですが、なにより忘れてはいけないのは、生徒自身の自らの命を守る「防衛」に徹した「交通安全意識」です。交通安全は命に関することであり、何より保護者の方からしっかりとご指導いただくことや、生徒自らが意識を持つことが、最も高い効果があることは、言うまでもありません。交通事故のない社会を目指して、本校は地道に取り組んでいきたいと思います。
最後になりましたが、今後とも本校の教育にご支援・ご協力をいただきますようお願い申し上げます。
安城市立安城西中学校