最新更新日:2024/06/01
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本日「KATCH TIME 30」にて三河安城駅での6年生の絵画「二本木の大力の黒牛展覧会」が取り上げられます

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現在、6年生が総合的な学習の時間で新美南吉の作品「大力の黒牛と貨物列車の話」に登場する「二本木の大力の黒牛」を絵画に表現し、そちらを通してふるさとを知ってもらうべく、JR東海道新幹線三河安城駅改札前コンコースにて一部作品を展示する機会を、JR三河安城駅の駅長さんをはじめとする駅員の皆さんのご厚意で開催しております。

名付けて、「二本木の大力の黒牛」展覧会です。

この展覧会が、本日のキャッチネットワーク(コミュニティチャンネル)の「KATCH TIME 30」にて取り上げられることとなりました。
初回放送は18時となります。

そして、JR三河安城駅のご支援で開催してきた同展覧会も、来週の月曜日、三連休をもって最終日とさせていただきます。
まだ見に行ってないよという皆さん、また、他の学年の皆さんもあわせて、ぜひご覧いただくとよいかと思います。

時々様子を見に行かせていただきましたが、特に年末年始の帰省された方には「二本木小学校」と説明のところに書いていただいたので話題にもしてくれている様子で、ちょっと、いや、だいぶ嬉しかったです。
ふるさとって、いろいろなところで感じるものなんだなと、6年生の絵を見る待ち合わせの皆さんを見て思いました。

素敵な絵画、そして、素敵な取り組みをありがとうございます。
そして何より、JR東海道新幹線三河安城駅の皆様に深く感謝申し上げます。

JR東海三河安城駅×二本木小学校 6年生「二本木の大力の黒牛」展覧会が、なんと新幹線改札前コンコースにて開催!

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12月18日より、JR東海道新幹線三河安城駅のご協力のもと、三河安城駅コンコース(新幹線改札前広場)において、本校6年生の絵画を展示していただいております。
展示期間は1月8日(月・祝)の冬休み最終日までです。
このお知らせは、昨日付けのX「【JR東海公式】三河安城駅 Mikawa-Anjo Sta.info」@JR_Mikawa_Sta)にも掲載されました。


6年生は、総合的な学習の時間「ヒカレ二本木応援隊」の一環として、「二本木小学校区の歴史について学ぶ」機会を設けました。その際、令和5年に生誕110年を迎えた新美南吉の作品「大力の黒牛と貨物列車の話」に出会いました。
現在JR安城駅ホームから見えるウォールペイントにもある本作品の牛が、実は「二本木(JR三河安城駅付近)の大力の黒牛」であると書かれています。
それ以上のことは、お話を読んで想像をするだけです。
そして、二本木には牛を飼っているような風景があったこと、今伸びている線路には昔機関車がもくもくと煙を出して走っていたこと、牛を連れて安城駅まで歩いて行ったことなど、当時の様子で浮かんでくるものも数多くありました。
そこで、お話から児童が自由に発想を膨らませ、自分なりの「二本木の大力の黒牛」を絵で表現しました。
JR東海三河安城駅の駅長さんをはじめとする皆さんは、6年生の絵画の掲示や装飾など、展示会場としてご協力をいただくだけでなく、すべてを地域のためにとご準備いただきました。今回は、6年生児童が描いた絵のうち51点を、東海道新幹線三河安城駅コンコースにて展示しておりますので、ぜひお越しいただければと思います。

地域のために、アットホームに温かく私たち小学校にも接してくださる三河安城駅の皆様のやさしさに触れながら、素敵なクリスマスプレゼントをいただいた気持ちで展示を眺めさせていただきました。
新幹線駅に絵が飾られる学校なんて、素敵ですね。

6年総合「ヒカレ二本木大作戦」〜二本木の昔を感じられる新美南吉作品「大力の黒牛と貨物列車の話」をもとに黒牛の絵を描きました〜

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6年生は総合的な学習の時間で、「ヒカレ二本木大作戦」を展開しています。
特に昨年度の二本木小学校50周年を受け、この地域の歴史を探っていくことになりました。
そこで、今年生誕110年となる「新美南吉」の話に出会いました。

2年生の廊下に、今から10年前の先輩たちが作成した、キャップアートがありました。
大きな黒い牛が描かれていて、「新美南吉生誕100年」とあります。
様々なお話がキャップアートになっています。
この、新美南吉の童話の中に、二本木が出てくるお話があります。
「大力の黒牛と貨物列車の話」と言います。

二本木とどんな関係があるかというと、この話に登場してくる「与(よ)ささ」が二本木の人で、この人が飼っている黒牛が主人公。とにかく大力で有名なんですが、この噂を脅かす存在が…。というお話です。

どんなお話かは、こちらへ。
(長い話なので、申し訳ありませんが一部を省略しています)

新美南吉は半田の人です。
安城市の新田町に下宿し、桜町にあった安城高等女学校(現在の桜町小のあったところ)まで通勤していました。
童話作家をめざしていた新美南吉が夢をかなえた町が、安城です。
彼が半田から安城に来るときは鉄道を使いました。
現在のJR、昔の国鉄です。
三河安城駅も東刈谷駅もありませんでしたが、この東海道本線の線路自体は変わりません。
おそらく新美南吉は、もくもくと煙を吐いた汽車に揺られながらわたしたちの町二本木を通り過ぎ、この街の景色を見ていたと思います。そして、この二本木の牛の話を書いたことと思います。
そして、当時二本木で牛を飼っていたということも、今はもうないことです。
車窓から見えたのかもしれませんね。
二本木の人たちが安城のステンショ(ステーション・駅)まで牛を連れて歩いて行っていることも、こういった話を読んで初めてわかります。

6年生の皆さんは、この話を聞いて、大力の二本木の黒牛を想像し、起きたことを考えながら絵を描きました。

このたび、JR東海道新幹線三河安城駅のご厚意により、一部ではありますがこの「大力の黒牛と貨物列車の話」をもとにした「二本木の大力の黒牛」の絵を年末年始に飾っていただけることとなりました。
地域への深いご理解と温かい配慮に感謝申し上げます。

もしよろしければ、来週以降となりますがご覧ください。

「大力の黒牛と貨物列車の話」    
それぞれリンクしておりますので、ご覧ください。

大力の黒牛と貨物列車の話 1

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(作 新実南吉・原文で表記)

もと二本木村に非常に強いという評判の牡牛がいた。
じっさいにその牛がどの程度強いのか、かつて見た者はなかったのだが、火のないところに煙は立たないということわざがあるからには、何か強いところがあったのだろう。
ほんとうのところをいうと本人でさえ自分がはたしてうわさのように強いのかどうか知らないのであったけれども、そういううわさを立てられて悪い気がするはずはないのであえてとり消そうとはしなかった。
世間がああいうからには、自分は人なみすぐれた力持ちなんだろうくらいに漠然と考えていたのである。
ところで、牛が生物であるように、うわさというものもこれまた生命を持っている。
そしてうわさの生長力の旺盛さにいたっては牛などの比ではない。
うわさの生長の迅速にしてはてしないことをくわしく知りたいと思う人は有名なアイルランドの劇作家グレゴリイ夫人の書いた劇の中に、そのテーマをとりあつかったものがあるからそれについて親しくみられるがよい。
さてうわさの方は非常な迅速さで生長してゆきともすると牛の方でおくれがちであった。
昨日牛は、自分がこの二本木の村でいちばん強いといううわさにでくわし、急いでその気になっていると、もうそのうわさが今日はとほうもなく生長してしまって、なんでもこの牛に匹敵するものはまず近郷近村に一ぴきとあるまいというようなことになっているので、当の牛の方で面くらってしまうしまつであった。
しかしともかく牛は、なんといっても自分の名誉になることだから、汗を流しながらうわさのあとを追っかけていったというわけである。

2 に続く

「大力の黒牛と貨物列車の話」    
それぞれリンクしておりますので、ご覧ください。
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大力の黒牛と貨物列車の話 2

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(作 新美南吉 原文のまま表記)

ところがある日のこと、うわさの方が、急に生長をはばまれるという、牛にとってはおもしろくないことが起こった。 
かいつまんでいうならば、このころ二本木から半道ほど北をとおって西東に通ずる鉄道がひらけ、一日に二三回汽車が走るようになった。
当時汽車は陸蒸気という古風な名で呼ばれ、お狐さまか天狗のように百姓たちの恐怖と好奇心をそそった。
そこで恐怖心も強いが好奇心も強いという三四名の若い者たちが、腰に弁当をさげて陸蒸気の正体をみとどけに出かけた。
そして、自分たちの身を危険からかばいながら、じゅうぶん好奇心の方を満足させうる位置―つまり、山のきりどおしの三町ほど先に鉄道線路がすこしみえるところに陣どって、半日ばかり待ち通し、ついに陸蒸気を見たのである。遠くの方から地震のような前ぶれで近づいてきて、きりどおしの先を、そうぞうしい咆吼でゆきすぎていった陸蒸気は、いかりくるって土提の上をかけすぎてゆく黒牛を彼らにおもわせた。
そして黒牛の一ぴきや二ひきではとてもかなわないもののように思えた。
そこで彼らは村に帰ると彼らの生命がけでみた怪物についての感想を、しごく率直にいいあらわしたのである。

「与ささあの牛でもあいつにゃかなわねえずら。」

それをきいた与ささあの黒牛は、名声の落ちてゆく英雄の悲哀を如実に味わった。
彼は当然自分の敵手(ライバル)である陸蒸気を憎悪した。
陸蒸気とはいったいどんなものだろう。
彼はさまざまにまだ見ぬ自分の敵手(ライバル)の姿を想像したが、牛の想像力といったってたかが知れている。
あるときは、壁のような姿で陸蒸気は牛の脳裡にうかんだ。
またあるときは牛が坂をのぼるとき強大な力で背後へひきもどそうとするあの石材の積荷の姿で。とまれ与ささあの黒牛は、陸蒸気をたおし、ふたたび以前の名声をとりもどさなければならないとかたく決意していた。
汽車にぶつかって汽車をたおす。
なんというばかげた考えだろう。
いまなら、それを口にするだけで物笑いの種だが、何しろ私のおじいさんの若かったころである。
牛で言うと、ゆうに十代ばかり前の、つまり大むかしのことである。
いまでは牛もずいぶん賢(かしこ)くなったけれど大むかしには、そういうばか牛もいたものだ、と牛(うし)仲間(なかま)ではいっている。

3 に続く

「大力の黒牛と貨物列車の話」    
それぞれリンクしておりますので、ご覧ください。
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大力の黒牛と貨物列車の話 3

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(作 新美南吉 原文のまま表記)

機会はまもなくやってきた。
黒牛はアンジョウのステンショへ木材をひきにいくことになった。
牛は話にきいて、アンジョウの停車場では走ってきた陸蒸気(おかじょうき)がしばらく休憩することを知っていた。
突進してくる相手を敵しがたく思ったなら、相手がねそべってうつらうつらと休息している虚をついて、どてっ腹に風穴をあけるというてもあるのだと、そのころの牛としては頭のよい計画をひそかに胸にいだいて牛は二本木を出発したのだった。
牛はまだ陸蒸気について確とした観念をもっていなかったので、途中で二三度へまをやった。アンジョウの村に近くなったとき、向こうから黒い四角な、たちの高いものが人間につれられてやってきたのをみたとたん、彼はこれが音にきく陸蒸気だなと早合点し、これくらいの物ならすれちがいにおしたおすことができるという自信をいだいて、すでに地に近く頭までさげたのであった。
だが念のためたしかめておく必要があった。そこで彼は与(よ)ささあにたずねたのである。
「向こうからくるのはきっと陸蒸気というものにちがいないからして、自分があれをひっくり返すつもりであるがよろしいか。」
すると与ささあはつぎのように答えて牛を失望させた。
「何をうろたえてけつかるだあ。村長さんののってござる人力車がおいでたじゃねかっ。」
それからアンジョウの村の中にはいるとさらに牛はばからしいへまをやった。
玩具の風車を持って小さな子どもがのっている乳母車を陸蒸気と感ちがいしたのである。
これでみると、与ささあの黒牛は内心陸蒸気をひどくおそれ、しかもそれをひたかくしにかくそうとつとめるという、心理的錯乱状態にあったというのが至当だ。
牛は生まれてはじめてステンショというものをみた。
だが彼(かれ)はいま自分のつれられてきた建物が、音にきくアンジョウのステンショであると、すぐ認識することはできなかった。
何しろ牛は大して聡明ではない。
そのうえ、与ささあの黒牛はそのとき前述のような興奮状態にあったのである。
彼は漠然と、いつもとはかわったところにきたことを感じていたにすぎない。
黒い木の柵が長くつづき、その向こうにはこれまた長い鉄の棒が横たわっている。
こういうものもいつかどこかでみたことがあるような気もした。
ともかく、彼はぼんやりしながら柵のある箇所につながれていた。
まもなく牛は、右手の方がなんだかそうぞうしくなってくるのを感じた。
そっちをみると、線路の上に黒い牛みたいなものがあらわれ、腹の下から両側へまっしろな煙をはいていた。
はじめあまり大きくないと思ったが、みているとそれが、すばらしい速力でこちらへ走ってきて、またたく間に巨大な牛(と牛は思った)になった。
与ささあの黒牛は、かあっと頭に血が逆上するのを覚えた。
牛みたいなものにも、とっさの場合にはインスピレーションのような精神作用がはたらくとみえ、だれも説明してくれなかったが、この怪物こそうわさに高い陸蒸気であって、それ以外のなにものでもないということそして自分はとうていこの大牛にはかなわぬ、ということを確然とさとった。
怪牛は与ささあの黒牛のはらの中をみぬいているもののごとく、はげしく歯がみをしながら、まっしぐらに彼の方へ突進(とっしん)してくる。
ああ、このままじっとしているとやられてしまうぞと黒牛が思ったとたん、怪牛の方で、ヒューっというすごい吼声をあげた。吼声はするどく黒牛の体につきとおって、ぴょこんと彼をはねあがらせた。

4 に続く

「大力の黒牛と貨物列車の話」    
それぞれリンクしておりますので、ご覧ください。
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大力の黒牛と貨物列車の話 4

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(作 新美南吉 原文のまま表記・一部中略)

その跳躍が、怪牛を眼にした瞬間から黒牛にかかって彼を動かさなかったところの呪縛をといた。
とさいわい、柵に軽くゆわえてあった手綱もとけた。
与ささあの黒牛は空車(からぐるま)をひっぱったまま、あらんかぎりの力でステンショからにげ出したのである。
しばらくのうちは、がむしゃらに走ろうという想念以外には何もなかったが、そしてまたがむしゃらに走ったが、やがて、彼をさける人びとがおったまげて悲鳴をあげるのに気がつき、と同時に、自分は主人に使われている身分であるが、その自分が主人に対し申しわけのないような大それた失策(しっさく)をしてしまったという想念がうかんだ。
だが、人間にしてもそうであるけれども、牛には、とりかえしのつかぬ大失策をしてしまったというはげしい後悔の苦しみをきらう傾向がある。
できるなら公開をはぐらかしてしまいたいのだ。
だから牛は、もう身の安全をじゅうぶんに知っていながら、強引に街の中を走りつづけていた。

(中略)  5に続く

「大力の黒牛と貨物列車の話」    
それぞれリンクしておりますので、ご覧ください。
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大力の黒牛と貨物列車の話 5

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(作 新美南吉 原文のまま表記)

さて、与ささあの黒牛も、町のまんなかをつっぱしりながらこのてを考えたのである。
彼はどこかの商店へ飛びこむというような大椿事をひき起こせば、人びとの注意をそちらに向け、自分の敗北、暴露された小心がカモフラージュできると計算したのである。
よし、商店に飛びこもう! 
と決心はしたが、どの店に飛びこむかということが、また問題だ。
最初に眼についたのは金物屋である。
店の内側の天井には鋸のたぐいがたくさんつるされ、下には、出刃、錐、のみ、鋏、どれも体を傷つけるような物ばかりがならんでいる。
そういう物の中へもぐりこむことを与ささあの黒牛はこのましいと思わなかったので、つぎに眼をうつすと今度は牛肉屋である。
与ささあの黒牛のみならず、すべての牛が牛肉屋をきらうのであるが、それは同胞の肉塊があるいはかぎにひっかけられ、あるいはきざまれているのをみるいたましさにたえられぬというほどの、センチメンタルな理由からではなく、牛仲間の論理(ロジック)の単純性に由来するのだ。
つまり彼らはこう考える。
牛肉屋には牛の肉がつるさがっている。
自分たちは牛である。
だから牛肉屋にはいれば自分たちもああいう具合に皮をひんむかれ、眼も鼻も耳も角も口もとられてしまう。
で与ささあの黒牛は牛肉屋の前を走りすぎた。
そのつぎには床屋があった。
床屋。
これはいい。
与ささあの黒牛はかねてから一生のうちいっぺんでよいから床屋にはいってみたいと思っていた。
バリカンで頭髪をかったあとで、床屋が茶碗型のくしでもって、バリバリと頭をかくのは、かかれる者にとっていかなる快感であろうかということは、牛がときたま川っぷちにつれていかれ、おカメたわしでもって頸や背中をこすってもらうときの気持ちから容易に察することができるのである。
床屋の客になる人間たちのように、ひじのついたいすの上にゆったりと腰をおろし、白いさっぱりした被布でおおわれ、いつもかゆみのたえない角のつけねのあたりの毛を短くしてもらったあと、あのくしで心ゆくばかりかいてもらう。
牛は床屋の前を通るたびにそれを空想し、そのつどにうっとりとなったものである。
でとりあえず与ささあの黒牛は床屋へ飛びこむことにしたのであった。
床屋はちょうどひまなときで、亭主は好物の棒飴を口にしたままであおむけになって昼ねしていたが、ものすごい破壊音のために耳をさまされた。
このようなひどい音ではいってくる客というものはめずらしいけれどもいったいだれだろうといぶかりながら、やおら半身を起こしたが、客をみてなっとくできた。しかし彼は剛腹な侠客肌の男であったからおどろききはしなかった。
なめかけの、紅白だんだら模様のねじ飴を手に持つと、きょとんとしている牛のところへ歩みよって、坊よ、坊よ、ここはおめえのくるところじゃねえよ、さ飴をやるから出ていきな、といったのである。
牛は口に押しこまれた飴をにんじんと思ってかんでみると、奇妙なものである。
歯ににちゃついて、いかなる草やこくもつよりもたべにくい。
そして甘たるいものがとけてくるのが著しくいやだ。
はき出そうとしたが歯にねばりついていてとれない。
床屋なんかにきて失策(しま)った、こんなことなら八百屋にはいった方がよかったと牛は残念に思いながらすごすごと床屋を出た。
まっさおになった与ささあが、息をきらせて飛んできて、床屋の亭主にあやまり出したのは一分とたたないうちのことだった。侠客肌のある亭主は、なあに分別のねえもののしたことしかたねえよ、と太っ腹をみせていたが、眼に角を立てて出てきた女房のいい分もいれて、店の損害賠償だけはしてもらうことにした。
金額みつもりにさいして、床屋は五百円でよいといい、与ささあは二百円くらいとふみ、なかなか話がきまらず、与ささあと床屋の女房は声もあらくなってきたが、亭主はあくまで腹の大きいところをみせ、なあに、五百両いただきゃあなんとかなるだあ、はっはっはっと笑ったりするのを、黒牛は表から、興奮のひいたあとの甘い物悲しいしい感傷にひたりながらぼんやりみていたのである。
私のいとこの大吉のやったと同じような、與ささあの黒牛のこの計算もある程度成功し、さしあたっての目的は達せられたが、村に帰ればまた黒牛の悩みはあるはずだった。
陸蒸気をみてにげたとうわさするにきまっているからだ。
だが彼は、そのときはこういって弁解しようと考えた。
「卑怯にもほどあいというものがあるじゃらに、あいつは一ぴきで向かってこなんだ、三十ぴきくらいつながってうせただ。」
さてこのばからしい昔話の結末だが、ロシアの民話の結末がたいていみな同じであるように―それはこうだ、
「こんなふうにしてイワンは美しいお姫様を救い、ふたりはめでたく結婚しました。私も結婚式にまねかれていって、蜂蜜をたんまりご馳走になりましたが、ひげをつたってこぼれてしまい、一滴も口にはいりませんでした」
―牛の話というものもだいたい結末はきまっている。
ロシアの民話をまねていえばつぎの通りである。
「そこで黒牛は屠殺所(とさつじょ)でめでたくなってしまい、私もそのご馳走をいただいてみたが、歯が弱いせいか、かみきれないので困りました。」
ちなみに、床屋の侠客肌の亭主は、紅白だんだら模様のねじあめを牛の口におしこんだとき、牛がいやな顔をして店を出ていったのをみて、牛はあの飴がきらいであるとみてとり、その後牛よけに、店の前に飴をかたどった棒をたてることにした。
そして全国の床屋が集まった同業組合会議席上で、彼がその牛よけのききめのあることを発表したことから、いまでは全国の床屋が彼のまねをするようになったと、牛仲間ではいっている。



「大力の黒牛と貨物列車の話」    
それぞれリンクしておりますので、ご覧ください。
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最後のマラソン大会!

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6年生にとっては最後のマラソン大会です。
校庭内のグラウンドをこうして駆け回ることも、校庭外の道をこうして全力で走ることも、今後なかなかないことかもしれません。
そして、6年生の皆さんそれぞれが、自分の目標を超えるために頑張っている姿も印象的でした。
最後のマラソン大会。
皆さんがその思いがいっぱいに詰まった、ナイスランを魅せてくれました。
応援に来てくださった保護者の皆様、本当にありがとうございました。
そして皆さん、お疲れさまでした!
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6年音楽~いろいろな和音の響きを感じ取ろう~

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6年生の音楽の授業では、和音の響きや様々なリズムが繰り出す音楽に楽しさを見出すような学習を展開しています。
今回は4時間の中で、「お昼の放送のテーマソングづくり」に取り組んでいます。
先生は、これまでの学習の流れから和音の繰り出す音色の美しさに触れたり、リズムの使い方をレクチャーした後、個人での活動に切り替えていきます。

笛と紙を持ち出して、笛を吹きながらリズムを書いている子がいました。

まぁまぁ、確かに書くことや記録することは大事です。

でも、教室からはなんだかポコポコ音が聞こえます。
子どもたちはiPadをひらいています。
画面を見ると、なんだか緑色の波打っているものがあります。
聞けばこれは「ガレージバンド」というアプリだそうです。
様々な楽器を奏で、音色を聞かせてくれるのだそうです。
これらに合わせて、子どもたちは紙に音符を書いたり、iPadに記録したりしています。
もくもくと活動をする中で、笛の音とポコポコ音だけが鳴り響きます。

いい感じでできたのか、立ち上がって友達のところに行く子がいます。
なんだかアドバイスをもらっているようです。
そんな子が何人かあらわれたところで先生は、完成した人は周囲の皆さんに意見を聞いてみるよう進めます。

その輪は広がって広がっていきますが、もくもくと一人で作業を進めている子もいます。
演奏をし合っている子もいれば、iPadを見ながら確認し合っている子もいます。

いくつかの軌道修正をしているところに、先生が一度みんなの手を止め、できた子の試聴をみんなにお願いします。
笛で奏でたメロディは、先生が示したリズムも取り入れていてかなりポップな感じでした。

振り返りも、MicrosoftのOffice365のエクセルを用いて、共有画面で互いの感想を書き入れながら、今日の振り返りをしています。

すっかりICTを上手に駆使して、自分なりの音楽表現者になっている素敵な風景でした。

6年「私のお気に入りの場所」美術館

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二本木小学校の体育館は、校舎とは離れて独立していますが、3棟の校舎に並列してあるので、比較的入りやすく、子どもたちにも慣れ親しんでいる場所になっています。
土日や夜間の学校開放で使われている方も多くて、親しみをもって接している方も多いと思います。
そんな体育館をお気に入りの場所にしてくれた児童がいました。

タイトルは、「明るいバスケットコート」

バスケットコート越しの木々が常時緑色に茂っていて、確かにこの体育館に差し込む光には、緑色という印象があります。

大規模校である時期が長く続いており、現在は1000名を超える当時に比べれば児童数は少ないものの、それでも800名近い児童数は多い状況です。それに対して、残念ながら体育館はそれほど広くなく、かなり長い期間全校児童が体育館に入ることが叶わないという状況が続いています。
でも、体育の時間などでは児童の皆さんに積極的に運動をしてもらえるように活用をしてもらっています。
親しみを持って、この木々の緑の色合いを感じてくれていることを嬉しく思います。
もうすぐ中学校。
思い切り大きな窓と広さのある体育館で、しっかりとバスケットボールなどを楽しんでほしいなと思います。
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6年「私のお気に入りの場所」美術館

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6年生の描いた絵画から、学校の隠れた名スポットを巡る「私のお気に入りの場所」美術館。
けっこう好評のようで、6年生の掲示板を見ている下学年の子どもたちをよく見かけます。
…ということは、この公式ウェブサイトも見てくれているんですね。
ありがとうございます。
絵を表現する凄い技は、ぜひじっくり見て研究して、今度の図画工作の時間に再現してくださいね。

今日の絵のタイトルは「気持ちがあふれる下駄箱」
学校の下駄箱も、6年間過ごした小学校だからこそ、思いもあふれますよね。

本校の下駄箱は、3か所にあります。
だから、学年ごとにげた箱の場所も変わります。
学年が上がるごとに気分も変わりますし、隣にいる学年も変わりますから、自分の成長も感じます。
6年生は現在一番中央の昇降口から出入りします。
小学校らしく、下駄箱の上にはしっかりドッジボールが置かれていて、長い休み時間始まりの臨戦態勢に備えています。
(ちなみに、実は「放課」も、この地方だけの方言です。他の地域では「休み時間」です。授業後のことについて「放課後」と呼ぶくらいだそうです。本校では、この「放課」という言葉もあまり聞きません。長い休み時間が、「のびのびタイム」と「はあとタイム」なので、子どもたちは「のび」とか、「ハート」とか呼んでいます。)

「気持ちがあふれる」と表現してくれましたが、登校するときなんでしょうか。
それとも、この角度からだと家に帰る時でしょうか。

家に帰れるという思いから、「気持ちがあふれる」のかもしれません。
学校を愉しく思っていてくれればうれしいですし、家を恋しく思ってくれるのもとっても大事なことだと思います。

そして見てください。この再現度。
本当に、素晴らしい構図だと思います。

自分の思っていることを表現するということは、とっても大事だということを、こうした子どもたちの絵から日々感じています。
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6年「私のお気に入りの場所」美術館

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好評でしたので、今日も6年生の素敵な絵画を紹介します。

二本木小学校の来客をお迎えする正面玄関。
子どもたちが使う昇降口とはまた違った趣があります。
正門に向かって正面を向いていないのも特徴です。
また、正面玄関に立ってこそわかる、他校にはないかなり立派な庭園があります。
本校にはこうした庭園が、もうひとつあるのも大きな特徴です。
子どもたちの多くは、この正面玄関と庭園の間を、6年間の通学路の最後のストレートコースさながらに歩いてきて、開けた運動場の光景を見ます。

作者が名付けたタイトルは、「不思議の場所」

子どもたちが日ごろから出入りする場所と違い、どっしりとしていて立派です。
しかも、この絵が示すように、校舎内から入って玄関を通して庭園を見なければ、この不思議な風景には巡り合えません。
雨の日には雨の日の、快晴の日には晴れ渡る陽射しのもと、春夏秋冬で木々の色が違い、校舎内の照明や朝夕の風景で見せる景色が全く違う、まさに不思議の場所です。
見事に絵画で再現していました。

そんな場面をシャンでもパシャリ。
写真を撮る場所が少し遠いところからでしたが、おそらく作者はもっと手前の、靴を脱ぐ場所のあたりから描いたんだと思います。

掃除でお手伝いをしたり、委員会などのお仕事で訪れたりしなければ、なかなか訪れる機会のない場所を、見たまま切り取って明るさや鮮やかさ、そして構図を上手に表現しているなと感心しました。

あと5ヶ月。
この学校で過ごした日々も、思い出に変わっていくのですね。
すてきな思い出を、ともに残していきましょう。
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6年「わたしのお気に入りの場所」に掲げられたすてきな絵から

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今回掲示されている6年生の作品があまりにも秀逸なので、これはどの場所だろうと探したくなってきます。

今回の絵はこちら。

「さわやかな観察池」という題がつけられています。

本校の職員室前には、他の学校とは違い、四角い形をした池があります。

開校当時からあると思うのですが、その頃には何がいたのでしょうか。

今は、理科が専門の教頭先生がメダカの世話をしてくれていて、ホテイアオイやカキツバタも池の中にあります。
登校時間がぎりぎりになっても、1年生から6年生まで、好きな子は足を止めてしばしメダカを眺めます。
この絵を描いてくれた子は、長年こうした水生生物に関心を持っていて、生き物にも造詣が深く、高学年として飼育当番などの仕事もしっかり行い、世話もしっかりしてくれていることを私たちもよく知っています。
だから、こうして絵にしてくれたことは、私たちもなんだかとても嬉しいことです。

おそらく半世紀にわたり、この池を通して生き物を知り、愛してくれた方はたくさんいるのかもしれません。

確かに他の学校にはない、お気に入りの場所。
描いてくれて、ありがとうございました。
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6年の絵画が展示替えされています「わたしのお気に入りの場所」

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各学年の絵が次々と張り替えられています。
どの絵も魅力的なのでこちらで紹介していきたいと思います。
今回特に「すごい!」と感じたのは、6年生の絵です。

上の絵の題は、「きん張した体育館」

その絵の風景は、下の写真。

この遠近感やこの雰囲気。
二本木小学校ならではの体育館の雰囲気をうまく出していると思いませんか?
なんなら、写真よりも緊張感がひしひしと伝わってくるような気がしませんか?

こういう構図で絵を描くことができるよう、ふだんの授業でそんな視点をしっかり与え、その技も伝えていくことで、子どもたちは伸びていくんだなと深く感心しました。
指導している先生の技にも私たちは学んでいきたいと思いました。

お気に入りの場所で緊張。
どんなドラマがあったのか、そちらも気になります。
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修学旅行〜ホテルでの食事の様子〜

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修学旅行で今回宿泊したのは、東大寺の近くにある「ホテルニューわかさ」です。
食事は学年全員が入ることのできる場所があり、そちらでいただきました。
どんな食事だったのか、子どもたちが話してくれているとは思いますが、実際どうなんだろうと思われている方も多いんじゃないかなと思います。
そこで、先生が写真を撮ってくださっていましたので、紹介させていただきます。
上が夕食で、下が朝食です。
どちらもおいしく、みんなで仲よく楽しくいただきました。
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修学旅行〜解散式〜

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修学旅行は予定時間どおりに到着し、無事解散式を行いました。
多くの保護者の皆様にお越しいただきました。
実行委員会の皆さんの運営で、式も滞りなく進められ、それぞれ帰宅していきました。

修学旅行〜湾岸長島SAでの最後のトイレ休憩〜

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6年生は伊勢湾岸自動車道の湾岸長島SAで最後のトイレ休憩を済ませて、出発しました。
天気はずっと太陽が出ていました。
皆さんの心がけがよかったのだろうと思います。
さて、指示が既に示されていることとは思いますが、このあと、本校では下学年の下校と帰着の時間が接近もしくは重なる可能性もあります。
学校においても、配慮をしながら下校の対応をしていきますが、来校の際は下校している児童の安全を第一優先に考えてご対応いただきますよう、保護者の皆様には重ねてお願いします。

修学旅行〜伊賀ドライブインでトイレ休憩〜

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6年生は現在、名阪国道伊賀ドライブインにて休憩中。
ほぼ予定どおりです。
短い時間でダンスをみんなで踊っているなど、元気です(*^-^)

修学旅行〜法隆寺見学の様子〜

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ただいま名阪国道中瀬インター付近、三重県です。
先生方が見学の折に撮影した写真をしばらく提供します。
法隆寺の見学は、交通の便のよさもあるのか、愛知県付近の学校がバスで立ち寄る形で多く見学していました。
法隆寺金堂は世界最古の木造建築です。
飛鳥時代に建立されました。
世界遺産で国宝です。
なかなか細かいところまで説明する時間もないのですが、この金堂には壁画がありました。しかし、現代である昭和の時代に焼失してしまい、現物は収蔵庫で非公開で保管、模写は愛知県立芸術大学などが行っています。金堂にも模写が掲げられておりました。
また、釈迦三尊像も飛鳥時代に作られた国宝です。
日本仏教彫刻史における最高傑作と言われています。
こちらもしっかり安置されていました。
国宝で世界遺産の建物の中に入り、国宝の仏像を眺めるというなかなかない経験をしてきましたが、また中学や高校の様々な学習の中で思い出してもらえればいいかなと思います。
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年間行事予定
1/11 令和6年能登半島地震義援金募金
1/12 ストーリーテリング(1年・2年)
1/13 休業日
1/14 休業日
1/15 朝の読み聞かせ(4年)
みのり学習
みのり学習見学会(3年)
6年生を送る会
1/16 図書館ボランティア
聴き合いタイム
1/17 書き初め展・みのり作品展
ありす定例会
朝の読み聞かせ(6年)
安城市立二本木小学校
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