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大力の黒牛と貨物列車の話 2

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(作 新美南吉 原文のまま表記)

ところがある日のこと、うわさの方が、急に生長をはばまれるという、牛にとってはおもしろくないことが起こった。 
かいつまんでいうならば、このころ二本木から半道ほど北をとおって西東に通ずる鉄道がひらけ、一日に二三回汽車が走るようになった。
当時汽車は陸蒸気という古風な名で呼ばれ、お狐さまか天狗のように百姓たちの恐怖と好奇心をそそった。
そこで恐怖心も強いが好奇心も強いという三四名の若い者たちが、腰に弁当をさげて陸蒸気の正体をみとどけに出かけた。
そして、自分たちの身を危険からかばいながら、じゅうぶん好奇心の方を満足させうる位置―つまり、山のきりどおしの三町ほど先に鉄道線路がすこしみえるところに陣どって、半日ばかり待ち通し、ついに陸蒸気を見たのである。遠くの方から地震のような前ぶれで近づいてきて、きりどおしの先を、そうぞうしい咆吼でゆきすぎていった陸蒸気は、いかりくるって土提の上をかけすぎてゆく黒牛を彼らにおもわせた。
そして黒牛の一ぴきや二ひきではとてもかなわないもののように思えた。
そこで彼らは村に帰ると彼らの生命がけでみた怪物についての感想を、しごく率直にいいあらわしたのである。

「与ささあの牛でもあいつにゃかなわねえずら。」

それをきいた与ささあの黒牛は、名声の落ちてゆく英雄の悲哀を如実に味わった。
彼は当然自分の敵手(ライバル)である陸蒸気を憎悪した。
陸蒸気とはいったいどんなものだろう。
彼はさまざまにまだ見ぬ自分の敵手(ライバル)の姿を想像したが、牛の想像力といったってたかが知れている。
あるときは、壁のような姿で陸蒸気は牛の脳裡にうかんだ。
またあるときは牛が坂をのぼるとき強大な力で背後へひきもどそうとするあの石材の積荷の姿で。とまれ与ささあの黒牛は、陸蒸気をたおし、ふたたび以前の名声をとりもどさなければならないとかたく決意していた。
汽車にぶつかって汽車をたおす。
なんというばかげた考えだろう。
いまなら、それを口にするだけで物笑いの種だが、何しろ私のおじいさんの若かったころである。
牛で言うと、ゆうに十代ばかり前の、つまり大むかしのことである。
いまでは牛もずいぶん賢(かしこ)くなったけれど大むかしには、そういうばか牛もいたものだ、と牛(うし)仲間(なかま)ではいっている。

3 に続く

「大力の黒牛と貨物列車の話」    
それぞれリンクしておりますので、ご覧ください。
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